001久米正雄記念館
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久米正雄夫人の部屋「主婦室」

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光り溢れる窓辺

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縁側、陽だまりの中

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本棚のガラス戸に写る景色

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書斎には火鉢が置かれている

久米正雄記念館

本好きにはたまらない空間

久米正雄が晩年を過ごした鎌倉の邸宅をそのまま移築した木造の家は、玄関に足を踏み入れただけで心がしんとするようだ。
廊下の深い色合い、床や柱の趣き、敷かれた絨毯の感触。何も置かれていない畳の部屋からは何故だろう、あたたかい穏やかな空気が感じられた。その先のふすまがスーッと開いて、主がにこやかに迎えてくれそうな思いにとらわれる。縁側に陽の光りが降り注ぎ、もう誰も居ないはずの空間に生命を与える。
たくさんの古い蔵書が置かれている部屋がある。窓からの光りが明るいその部屋は、久米正雄の奥さまが使っていた所で、「主婦室」と呼ばれていた。簡素でこじんまりとした居心地のいい空間だ。
壁一面の本棚には、文学書がずらりと並び、好ましい作家たちの名前が勢ぞろい。背表紙を眺めているだけで満ち足りてくる。本好きにはたまらない、まるで老舗の古本屋さんの書棚のようだ。
部屋にはテーブルと椅子が置かれ、自由に過ごすことが出来る。ここにある蔵書も自由に手に取り、落ち着いて読むことも出来るのが嬉しい。

心に戻る過ぎゆく日々の思い

こどもの頃、布団の中で読んでもらった絵本のお話。学校から帰ってからのおやつの楽しみ。叱られたあとの母の手のぬくもり、優しい声。心に戻る過ぎゆく日々の思い。日々のしあわせを自覚もなく感じていた頃の自分を思い出す。
2階への階段を昇れば、踊り場のガラス窓から外の景色が見える。風に揺れる木々、そよぐ葉。それは一枚の絵のように美しく心に沈んでいく。
ほんの6帖ほどの2階の書斎には火鉢がひとつ置いてある。作り付けの書棚には、古い本が数冊たてかけてあった。久米正雄も日に何度となく手をかけただろう木わくのあるガラス戸。使いやすく簡素な作りで思わず開け閉めしてしまうほど好ましい。
窓の下に広がるのは緑の蓮池。花の季節は夢のように美しいことだろう。あたたかい日射しのあたる畳の上でしばし昼寝でもしたくなるような心地よさがある。

こおりやま文学の森資料館からの小道

平成12年に開館したこおりやま文学の森資料館。常設展示室には、久米正雄、宮本百合子など文壇で活躍した郡山ゆかりの10人の文学者たちの業績や作品が紹介されている。
「常設展のほか、年に2回の特別企画展、年3回の企画展も開催されています。趣向をこらした企画をしますので、多くの方に訪れて欲しいですね」職員の佐久間正明さんが話してくれた。
こおりやま文学の森資料館から久米正雄記念館周辺の小道は常に開放されており、朝、夕には近所の人々が散歩がてらに通るという。ところどころにベンチも置かれている。
木陰を落とす、たくさんの木々。ふいに風が抜け一面に広がる緑の芝生。その向こうに久米正雄記念館が見える。kマーク

久米正雄記念館
郡山市豊田町3-5
TEL.024-991-7610
営業時間/AM10:00~PM17:00(入館は16:30分まで)
休館日 /毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
     館内整理日(土・日・祝日を除く月末)
駐車場 /総合体育館駐車場
観覧料 /一般210円 高校生・大学生130円
     中学生以下、65歳以上、障がい者は無料