003開成山公園
01

ベンチスタンドから

02

公園のベンチで

03

樹々に囲まれて

04

緑の小道

05

草の上で

開成山公園

広いベンチスタンド

開成山陸上競技場のすぐ隣に、練習用のグランドがある。
公園へ続く道を歩いていくと学生が走っているのを見かけることがある。時々、小学生の子供たちがスタートの練習をしている姿も目にする。春や秋には陸上競技大会の練習をする学生でいっぱいになる。
遠くにはベンチスタンドが青く広がっていている。

学生たちが練習する姿を遠くに見ながら

競技を観戦するベンチスタンドはなかなか座り心地がいい。ほぼ中央に腰をおろしてみる。目の前にグランドが見渡せ、視界が広がり大きく背伸びをしたくなるようだ。
少し離れたところで初老の男性が一人、新聞を読んでいた。かたわらにはコーヒーが入っているのだろうか、水筒が置いてある。ああこういう時間の過ごし方もあるのだ。
学生たちが走る姿を遠くに見ながらお茶を飲む。音楽を聴く。本を読む。思いをめぐらせばそれだけで満ち足りてくる。

緑の中、公園のベンチで

桜の花の季節はもうとうに過ぎ、夏の日射しに育まれた緑の葉が風に揺れる。木漏れ日を身体に受けながら公園の池の方に歩いていこう
緑の中を往くのは気持ちがいい。腕を大きく振りながら、深呼吸をしながら一定のリズムで歩けば、なにやらちょっとしたハイキング気分になる。静かだ。土を踏む靴音がリズミカルに耳に響く。
視界が広がり、池が見えてきた。遊園地で女の子が二人、ブランコに乗っている。ひとこぎするたびに沸き上がる歓声。滑り台のてっぺんで母親に手を振る男の子の頬が光る。
さてひと休み。公園のベンチはありがたい。木でできていればなお嬉しい。歩き疲れた身体をスッポリ包んで受け止めてくれる。
少し離れたところで犬を連れた男の人がベンチで本を読んでいた。スニーカーを脱ぎ、ベンチに膝を立てゆっくりとページをめくる。かたわらの犬はご主人さまの履き物に鼻先をつけながら目を閉じている。子供の歓声に耳を動かしながら。ときどき薄目をあけながら。何かあったらすぐに行動しますよ。というようにじっとしている。
眠っているわけではない、身体を休めているのだ。犬も本を読めたならとつい思う。kマーク