013吉田畳店
01

貴重な手縫いの職人技

02

黙々と心をこめて縫いあげていく。

03

大切な畳針。

04

手縫いには無くてはならない「手あて」。

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シャツと綿パンとベルトのおしゃれな吉田さんと明るくキュートな三智代さん。仲のいいご夫婦です。

(有)吉田畳店 吉田克浩さん

日本一の畳職人、吉田克浩さん

畳はあたたかい。夏は素足にさらりと気持ちがいい。
「なにより畳の部屋は落ちつきますね」明治19年創業の有限会社吉田畳店4代目、吉田克浩さんが話してくれた。
「小さい頃から、ものを作るのが大好きでした。木を集めておもちゃを作ったりしていました」吉田さんは宮城県気仙沼市出身。実家は畳店で職人である父親の背中を見て育つ。
中学卒業後、全寮制の埼玉県畳高等職業訓練校で3年間学んだ。その後、川越で修業する。「9年目のある日、訓練校の校長先生から戻ってこいと連絡が来たのです」待っていたのは奥さんの三智代さんとの縁談だった。
三智代さんは吉田畳店の娘さんで4人姉妹の三女。自分が跡を継ぐ決心をし、同訓練校に進学を申し入れるが女子の受け入れ体制はなかった。校長先生は、三智代さんの一途な思いと覚悟を知り、ひとりの技能士を紹介してくれる。
「それが主人との出会いでした」ほがらかに笑う三智代さん。「校長先生の心はありがたく今でも感謝しきれない。足を向けて眠れません」と祈るように目を閉じた。
克浩さんは、昭和60年に一級技能士の資格を取得する。平成6年に技能競技会東北大会で優勝。その後、技能グランプリ全国大会では2回連続の準優勝に続き、平成15年には念願の優勝に輝く。日本一の畳技能士の誕生だ。

貴重な手縫いの職人技
「お客さんに喜んでもらえるのが嬉しい」

時代とともにコンピューターシステムを取り入れている畳店も多くなったという。
「職人というより、コンピューターオペレーター。職人さんの中でも畳を縫えない人がいます」時間がかかっても納得のいく畳を作り続けたいと吉田さんは言う。
「腰には負担をかけますね。若い頃はあまり感じなかったけれど、最近はマッサージを受けるようになりました」
接骨院の先生には、毎日来なさいと言われるがなかなかそうもいかないと笑う。
手縫いの仕事は正座や中腰の姿勢が多い。特に畳の隙間にワラを埋めていく作業は大変だという。
「腰を曲げ、中途半端な姿勢のまま手で押さえ細かく調整しながら仕上げていきます」腰に負担がかかる作業だが手は抜かない。
「敷いたときの収まりに表れるのです。見た目も違うし何よりも歩いたときの足の裏の感触でわかります」
ひと針ひと針に心を込めて丁寧に仕上げていく貴重な手縫いの職人技だ。
畳は一帖30から32キロと重く、畳を上げればホコリまみれにもなる。決して楽な商売ではない。
「だからこそお客さんに喜んでもらえるのが何よりも嬉しいです」と目を細める吉田さんだ。

吉田さん一家は8人家族

吉田さんの自宅は、オール畳の家だ。廊下にも畳が敷いてあり、寝そべりたくなるほど好ましい。
家族の記念写真に目がとまった。
吉田さん一家は8人家族。おじいちゃん、おばあちゃん、娘さん3人と末っ子の息子さん。そして克浩さんと三智代さん。それぞれの思いが笑顔にあらわれているいい写真だ。
長男の晃広くんは中学1年生。小学6年生の時に「ぼくの家族」という作文がコンクールで特選になり、新聞に掲載された。
「ぼくの家はすべて和室です。畳は温かいし、夏は涼しいので好きです」自慢はお父さん、おじいちゃん、そしてお母さん。夢はお父さんをぬくこと。
「おじいちゃんは国の現代名工、お父さんは日本一なのでぼくもなにか優秀な成績を残したいです」
最後の文章がなかなか印象的でした。kマーク

(有)吉田畳店
郡山市大町1丁目9-5
TEL・FAX/024-922-2995