016洋装まつざき
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見とれてしまう手の動き。

02

美しい糸のグラデーション。

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アイロンをかけながら。

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モダンな卒業証書。大切な宝物ですね。

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仕上がりが楽しみですね。

(有)洋装まつざき 松崎ツル子さん

光りが差しこむ明るい仕事場で。

太陽の光りがやわらかく差しこむ明るい部屋。
棚一面に置かれている美しい糸。紫、赤、オレンジ、黄、緑のグラデーションが目をひく印象的な仕事場だ。
笑顔で迎えてくれた松崎ツル子さんは「有限会社洋装まつざき」の代表を務める。
丸井郡山店の婦人、紳士、スポーツ洋装の直し全般を一挙に受けてきた。
「丸井郡山店は、来年の2月で閉店になりますが最後まで誠意をもって仕事をやらせていただきます」
誰よりも衝撃を受けただろう丸井郡山店、閉店の知らせ。松崎さんは一時、浮遊する心を抱え地に足が着かない日々を過ごしたという。
「これまで丸井をしょっている緊張感が自分を育ててくれたと思っています。今は丸井への感謝の気持ちでいっぱいですね」
休みも丸井と一緒。ここ7、8年は休み無しの日々だった。丸井の仕事を始めてから来年の2月で34年になるという。

やっぱりそれしかない、それしかできない。

松崎さんは古殿町の出身。「兄弟はいましたが、姉とは10歳も違う。ひとりっ子のように育ちました」。学校を出てから和裁、お茶、お花を習う。
「そんなとき父親から、これからは洋裁の時代だ、きちんと勉強してきなさいと言われ、東京の洋裁学校へ行かされました」
それが松崎さんと洋裁の出会いだった。
洋裁学校を卒業後、東京の高島屋で裁断の仕事を任された。
「半年間だけですが、私が勤めたのはその時だけです」
その後、故郷に戻り、それからずっと場所を変えながらも洋裁の仕事にたずさわって来た。
「まだというか、もうというか、いつのまにか70歳を過ぎてしまいましたね」
家でじっとしているのが苦手なのという。
「なにせ結婚したその次の日から洋裁の仕事を始めましたものね」と笑った。「人生の半分以上だね、やっぱりそれしかない、それしかできない」みんなに支えられてここまで来れたと松崎さんはいう。

「ふろしきは広げないで」仕事は地道に。

お店を持ち、お客さんがついてオーダーを受けていた頃に丸井郡山店からの仕事の依頼が持ち上がり、悩んだ末に受けることにする。
「あれは昭和50年の11月でした。若かったんですね。一大決心でした。丸井の現場に機械を入れ、従業員10人を雇用しました。針を持ったことのない人ばかりでしたがみんな立派に育ってくれましたね」現在、長い人で30年、短い人でも9年目になる。
長い年月の間にはいろいろな仕事の話しが持ち上がる。そんなとき松崎さんが心に思う言葉がある。
「仕事はふろしきは広げないで」
創業以来、松崎さんが信頼しているある先生の教えだ。何かあるごとに先生を訪ねた。そのたびに、仕事はふろしきを広げないで地道にやることが大切ですよと話してくれたという。

松崎さんはこの言葉を心にきざみ、今もこれからもその思いを大事にして仕事を続けていくのだろう。

一緒に仕事をしている従業員の小池さんに松崎さんのことを聞いてみた。
「仕事に対してはきびしいですね。昔は影で泣いたこともありますよ(笑)。何より考え方が若いし、普段は明るく優しい社長さんですね」とほほえみながら話してくれた。
私はね、おっちょこちょいなんですよと朗らかに笑う松崎さん。
これからもお身体を大切に仕事を続けてくださいね。kマーク

(有)洋装まつざき
郡山市富久山町久保田字乙高28-14
TEL・FAX/024-922-5521