017邦楽器たかのは
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これが職人の手。

02

三味線の曲がりを見る。

03

「昔は、ノミを使う時にケガをしました」。

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三味線の仕上げの磨きに使う「板とくさ」。天然のやすり。

05

「休みの日は、ジェットスキーを楽しんでいます」という梅田さん。ケガをしないように気をつけてくださいね。

(有)邦楽器たかのは 梅田力弥さん

三味線は、なめした皮を仕入れて手作りしています。

三味線の製造販売と修理、琴の調律と修理を中心に邦楽器全般を扱っている「邦楽器たかのは」。今もなめした皮を仕入れて、三味線を店内で手作りしている。市内でも唯一の邦楽器の専門店だ。
「今日の午前中、琴の修理と調律を終えたばかりでした」
まっすぐな目で迎えてくれたのは、少年のようなすがすがしさが印象的な梅田力弥さん。創業65年の「たかのは」3代目の跡取りだ。

イメージする音を売る仕事。
そのための腕を買っていただく。

梅田さんは、高校を卒業してから東京で邦楽器製作の修業をする。
「三味線を作る修業を問屋さんで3年、次に練馬の琴屋さんで1年半、文京区の琴屋さんで2年半、琴の調律と修理を習いました」舞台の裏方の仕事も教えられたという。
「徒弟制度、弟子入りですね。たかのはの看板を背負っているので気合いは入っていました。同じ仲間もいましたし、途中で挫折する人は少ないですね。それぞれ自分の店の名前を背負って来ている。目的意識が高いんですね」
おまえは跡とり、と小さい頃から親に言われて育ってきた。尺八や琴などの楽器を習い始めた高校生の頃に、やりたい気持ちが芽生える。しかしその後、このままでいいのか、他にないのか、やめるなら今のうちだと考え悩む時期もあった。
「その時が分岐点でした。考える時間があって自分は良かった。やるならば、半ぱな気持ちではいけない」梅田さんはそう言う。
三味線は、材質を見ながら音を出すための形を作っていく。遠くに飛ぶような音、つぶがひとつひとつハッキリするような音をイメージして作り上げていく。音を聞き分ける感性と豊かな想像力が必要とされる世界だ。
「イメージする音を売る仕事だと思う。そのための腕を買っていただく。信用を買っていただく。100%私自体が保証書です」
お客さまには、仕立て音を出し同意の上お買い上げいただくという。
琴の調律は、糸を棒に巻き付け手で引っ張りながら音のひとつひとつを確かめ、音域を作りあげていく。梅田さんの手は弦の跡でひび割れ固くなり、親指は変形している。年季の入った手だ。
「手仕事なので体調が悪い時は、なかなかうまくいかない」力と気合いが要る仕事だという。
「職人としてのおもしろさは、音と形に結果が出ることですね。自分がこれはいいと思ったものをお客さまにも喜んでもらえた時が一番うれしい」
誉められたい、喜んでもらいたいと思う自分はまだほんの小僧なのです、と笑ってみせた。

父親は厳格な職人。
もの心つく頃から、
きちんと座ってあいさつをさせられました。

「師匠でもある父親は、家庭の中でも職人ですね。子供の頃もキャッチボールをしてもらった記憶がありません」
父親は厳格な職人。一つのことに熱中する人。小さい時からあいさつは厳しくしつけられた。
「もの心つく頃から、きちんと座ってあいさつをさせられました」
今の梅田さんにとっては身についた宝物のようだろう。

梅田さんの好きな言葉は「仲間」。
お父さん
きちんとしたあいさつのできる少年は、人とのコミュニケーションを大切にする心豊かな青年になりました。
まっすぐな目で、お店や地域の未来を熱く語る梅田さんも印象的でした。
お母さん
美味しいお茶を入れていただきありがとうございました。kマーク

(有)邦楽器たかのは
郡山市本町1丁目2-8
TEL.024-932-4845 FAX.024-932-4818