033工房木の子
看板

「工房木の子」の看板。もちろん手作りです。

入り口

ギャラリー&ショップの入り口。
ドアを開けると木の香りがします。

眺めていたい

いつまでも眺めていたい空間。
手に取るものひとつひとつに心が動く。

スツール

使いやすいスツール、椅子、置台。

テーブル

オーダーの丸いテーブルに取り組む阿久津さん。

ストラップ

手彫りのどんぐりのストラップ。
使ううちに艶が出ます。広がれ「どんぐりの輪」。

阿久津勝利さん

笑顔が爽やかな阿久津勝利さん。

工房木の子 阿久津勝利さん

小高い丘の上の工房で

見晴らしのいい丘の上に「工房木の子」はある。
晴れた日に工房へ続く山道を往けば、木々の葉や草花は光を受け吹きわたる風にさやさやと揺れる。
「この土地で育った杉を訳あって7本ほど伐採したのです。去年の6月にその木材でギャラリー&ショップを建てました」
木工作家の阿久津勝利さんが笑顔で迎えてくれた。
6坪ほどのこじんまりとした店内は木の香りが漂い、窓からは自然の光が柔らかく射し込む。木の質感を生かした椅子やテーブル。壁掛けの時計。トレイや小箱、ブックエンド。ひとつひとつ丁寧な仕上がりの小物たち。小さなテーブルがついたベンチ椅子に誘われるように腰をおろし店内をながめる。静かに流れる音楽はジャズ。ちょっとほかにはない空間だ。

ああ自分はこういうことが好きなんだな

会社勤めをしていた頃、休憩時間に近くの本屋さんで一冊の本を手に取った。「木工のおもちゃの本で、木の質感と形のおもしろさに思わず買っていました。気分転換にいいかなって。自分にも作れると思ったんです」
下の子供が2歳の頃だった。娘におもちゃを作ってやろうと会社の仕事の休み時間に少しづつ手掛けていく。木を削りながら思い出していた。
「自分は子供の頃からこういうことが好きだったんだな。ああそうだ、釣り竿も作ったっけ。道具入れも図画板もせっせと作ったなあ」
子供の頃の記憶がどんどんよみがえり心を動かしていく。
木で作るおもちゃの本、それが木工との出会いだった。
本を買ってから1年ほど経った頃に会社を退職する。8年前のことだ。
夢中になって初めて作った木のおもちゃ。ころころと走る車のおもちゃだ。今も大切にカウンターに置かれている。
「娘もずいぶんこれであそびましたね。今見るとタイヤもいびつで笑っちゃいますね」
阿久津さんはそう言いながらながら愛おしそうに掌にのせた。

かけがえのない人との出会い

会社をやめた阿久津さんは、長野県の木工専門学校を受験するが不合格。定員20名の狭き門だった。その後、心を新たにして椅子やティッシュボックスなどの小物を作ってイベントに出展する。
「お客さんの反応が良く、よしがんばれるって思いました。その時に出会った木工作家さんに椅子をほめられたのが嬉しかったですね」
独学で、道具も充分に揃っていない阿久津さんにとって出会いは大きなきっかけになる。人との繋がりの中でアドバイスを受けたり、道具を分けてもらったり、なかなか揃えられないものも少しづつ増えていった。
「木や土や水にたずさわる人はみんな心があたたかい」
人との出会いは宝もの。かけがえのないものだと阿久津さんは言う。

好きなことが出来ていいですね、とよく言われます。

主役は木。木の質感や手で撫でるとわかる削り跡、手づくりの風合いを残しておくことを大切にしている。一つの角材から丸くしていく過程に思いを込める。
「家具は難しい。まずは機能。例えば椅子は、人によって心地良さが違う。どこまで自分らしさを出していけるか思い悩みます」
ゆったり座れてくつろげる椅子が欲しい。そんなオーダーを受けたとしよう。
まずは、お客さんと一緒に素材選びから始まり、背もたれやひじかけの角度、高さ、座り具合などを充分に話し合う。
「自分からの提案とお客さんがどんなものを望んでいるのかを聞いてひとつのものを仕上げていきます」
敷居を低くしてお客さんと自由にコミュニケーションをとり、あそこだからこんなものも頼める、という関わりの中でを作りたいと語る。
好きなことが出来ていいですね、とよく言われる。
奥さんと3人の娘さんの5人家族。8年前、この道に入る決心をした自分を理解し支えてくれたのは家族だと阿久津さんは言う。
奥さんのめぐみさんは頼りになる良きアドバイザーだ。使う側の立場と阿久津さんの思い、両方の視点で見てくれるという。
「子供たちには遊んでいると思われていたのかもしれないな」
初夏の日射しの下、朗らかに笑う阿久津さんだ。kマーク

工房木の子
〒963-0667 郡山市阿久津町石橋151-104
TEL.024-944-7863 FAX.024-952-5456
営業時間/AM10:00~PM19:00
定休日 /木曜日