057つたや 佐藤睦子さん
齋藤睦子さん

齋藤睦子さん。
本を読むのが好き。息子のために買ったハリーポッターの本をまず自分が読んだのがきっかけでした。なんてワクワクして面白いんだろうと思いましたね。

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つたや 齋藤睦子さん

「つたや」は、創業141年になります。

郡山市中町中央商店街の通りにある酒屋さんに、笑顔のステキな女性がいる。いつもテキパキと動き回り、清々しい思いがする。時々、商店街を荷台を押して歩いているのを見かける。通りすがりの人に明るく声をかけながら仕事をする姿が印象的だ。
「つたや」の5代目、齋藤淳宏さんの奥さまでショートカットがよく似合う齋藤睦子さんだ。
「つたや」は、明治時代から続く創業141年の老舗で、酒・タバコから食品まで幅広く扱い、EM商品を置いてあることでも知られている。
「もともとは、食品やみかんなどを売っていたお店で、あとから塩の専売をしたりタバコや酒の免許をとって広げていったということです」と睦子さんが話してくれた。
現在は、ご主人のお父様が社長を務め家族の他に3人のスタッフとともにお店を営んでいる。

父に教えを受けた書道、大切な母からの手紙。

「私は、青森県八戸市の出身なんですよ。縁あってこちらに嫁いで25年になります。海や山に囲まれた八戸から郡山に来て、あまりのにぎやかさに驚きましたね。あの頃は毎日のように大勢の人が通りを歩いていて、まるでお祭りのようでした。もう人に酔ってフラフラになってしまうこともたびたびありましたよ」
当時の通りの様子をなつかしそうに話す睦子さんだ。
5人兄弟の4番目だという睦子さんは、小さい頃、お父さんに言われた言葉がずっと心の中にあるという。
「睦子は美人ではないけれど愛嬌がある、そう言われたんです。幼稚園生の頃だったかな、意味はわからなかったけれど多分嬉しかったんだと思う」そう言いながらまだどこかに子供の面影が残っていそうな笑顔を見せた。
「父は、晩年に書道の先生をしていて私も習っていました。お店でのし紙にきれいな字で書きたいと思ったことがきっかけでした」
お父さんからの指導は10年以上続いたという。
「父は半年前に、母は8年前に亡くなりました。そうそう家の片付けをしていた時に母からの手紙がごそっと出てきたんですよ。私の身体の心配や子育てのアドバイス、料理のレシピが書かれていて当時は忙しくて感じなかったけれど今読むと本当にありがたい。もういない母親の気持ちを今になってよくわかります」
お母さんからの手紙は睦子さんの宝物だという。

勉強もこの年になるとおもしろいです。

睦子さんは、利き酒師の資格を持っている。
「お客さまに提案しおすすめしたお酒を、美味しかったよと言っていただけるのが嬉しくて勉強に励んでいます。勉強もこの年になるとおもしろいですね。主人のサポートもあり、お酒というものの奥の深さを感じるようになりました。やっと少しずつわかってきたところです」と明るく笑う。
もともとはお酒を飲まない人、飲めない人だったという睦子さん。今では、一日の終わりにご主人と一緒に飲むお酒が何よりの楽しみだという。

言葉をかけつづける店でありたい。

「お客さまの中には、お年を召した一人暮らしの方もいらっしゃいます。日によっては一日中、誰とも口をきかないということもあると思うんですね。そういうお客さまを見るとどうしても両親とだぶらせてしまう。父や母にはもうできない事だけれどせめてお客さまの話を聴いてあげたいですね」
睦子さんには、いつも心がけていることがある。
「数ある店の中でうちの店にわざわざ来てくれることがありがたくて何かをお返ししたいなって思うんです。感謝の気持ちのアリガトウの言葉はもちろんなのですが、なんとなく元気がなかったけれど店を出て行く時にアレッちょっとだけ元気をもらえたかな、と感じていただけたらうれしいですね。アリガトウの言葉のトーンにしても何かを受け取っていただけたら、明るい気分で帰ってもらえたら、という思いで声をかけています」
親しみのある明るい笑顔が印象的な睦子さん、これからもひとりひとりのお客さまに笑顔のおすそわけをしていってくださいね。
ありがとうございました。kマーク

2010.02.27 取材

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