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鈴木マリカさん。
喜多方市出身。お父さんとお兄さんが野球をしていたのでそれを見ながら育ち、いつのまにか自然にソフトボールをしていたそうです。
「中学・高校の6年間は、ピッチャーとしてソフトボールに打ち込む日々でした。県の代表やインターハイにも出場したんですよ」

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ダナスヘアー 鈴木マリカさん

ダナスヘアーは、スタイリストひとりの美容室です。

長くなった髪を切ろうと思った。思えば十数年も美容室には行っていない。
知り合いのカフェのオーナーさんに声をかけてみた。紹介されたのが「ダナスヘアー」だった。女性一人で営業していること、予約制であることを告げられた。
さっそく予約の電話を入れる。カットをしたいこと、カラーをするかどうか迷っていることを告げた。
予約当日、ドキドキしながらドアを開けるとスタイリッシュな美しい女性が迎えてくれた。さあ、自分のための時間が動き始める。カウンセリングをし髪を洗い、ケアーを施し手を加えていく。迷いのない施術と穏やかな会話。店内には静かな音楽が流れ、心地よい時間が過ぎていく。
ダナスヘアーは女性スタイリストひとりの完全予約制の美容室。2005年5月にオープンし今年で7年目を迎えた。
「ここでは、周りを気にせず安心してお過ごしいただけます」
お客さまにはリラックスしていただきたい、と店主の鈴木マリカさん。ひとりひとりのお客さまのペースを大切にしたいと話してくれた。

ひとりだからこそできること

マリカさんが美容師になるきっかけは、一人の女性との出会いだった。
「前に一度嫁いだことがありまして、その方は嫁ぎ先のおかあさんでした。一人で美容室を経営しており、忙しい時にお手伝いをしていましたが、やがて助手として仕事をするようになりました」
美容師の仕事が自分に合っていると感じたマリカさんは、通信教育で免許をとり、その後いくつかの美容室に就業し、幅広く経験を積んでいく。
「実は、大学を卒業してから、ホテルウーマンとして働いていました。ホテルウーマンも美容師も直接お客さまと接するところは同じです。思えば人に恵まれ、いろんな方に助けられ育てられました。あの頃の経験が今の自分の糧になっているんだと感じています」
お店を開いてから半年位はひとりでやり、軌道にのってからスタッフを入れようと思っていたというマリカさん。
「半年が過ぎた頃に、女性ひとりの美容室だからこそ来てくださるお客さまが多くいることに気づいたのです」
お客さまの中には、美容室が苦手な人、会話をすることが苦痛な人、他人の視線が気になる人がいる。自分はそういう人たちを受け入れる場所を作ろうと思った。
自分にとっても一人のお客さまだけに集中できることが心地良かった。ひとりだからこそできることがあることに気づいたという。

ドラマの「大草原の小さな家」が好き

「ダナスヘアーの『ダナス』とは、台風につけられた1から140まである名前のひとつなんですよ。自分と一番響き合う名前だと思ってつけました」
セルビア語で「今日」という言葉。フィリピン語では「経験する」という意味もある。
「西部開拓時代のアメリカを舞台にしたドラマ『大草原の小さな家』が大好きです。ネイティブアメリカンの雰囲気が好きなんです。自然の全てのものに感謝するという考え方にもすごく惹かれます。お店作りは、そんなイメージを頭に入れあれこれと悩みました」
そう言いながらスッキリと気持ちよく笑うマリカさんだ。
マリカさん自身、穏やかな笑顔の中に芯の強さを感じる行動的な女性だ。
毎日の暮らしの中で、いろんなことに気づける感覚を常に持ち続けたいという。
「本を読んだり人と話をしたりする中でも、アッと思う事を感覚だけでも心にとめておきたいですね。ある日、ふとそのことを無意識に思い出したりする時もあるので、五感を働かせるというか、いろんなことに耳を済ますことを心がけています」

何が起きても、
常に幸せを作り出せる自分を育てていきたい

3.11の震災直後、マリカさんのお店のある地区は幸いにも電気も止まらず断水もしませんでした。マリカさんは水の出ない地域の方のためにシャンプーのサービスをしました。水が出ることなどを紙に書いて表に貼り、小さなことでも自分が出来ることを伝えました。被災された方への施術サービスは今も続けています。
うまく言えないけれど、とマリカさんは話してくれました。

震災から半年が経って、今まで漠然と思っていた死や生命を意識するようになりました。人はこの世に生まれた瞬間から死に向かって生きている。
明日死ぬかもしれないし、常に死への覚悟のようなものが今の自分の中にはある。だからこそ悔いのない生き方をしようと思えるようになりました。
日々の小さな悩みや落ち込むことはたくさんあるけれど、その都度それって取るに足らないことではないか、と受け流せるようにもなった。
お客さまに対しても、今この人の大切な時間を幸せな時間にしてあげたい、と素直に思います。この人だって大変な思いをしているかもしれないし、もしかしたらここに何かを求めて来ているかもしれない。その人の費やすお金や時間、子どもをどなたかに頼んで来ていること、そんな一つ一つのことが大切に思えてならない。だからこそ来て下さったお客さまの一時間なり二時間なりを満足させてあげたい。
以前も思っていたことかもしれないけれど、その思いは強くなりました。
まだまだ不安定な日々だけれど、起きてしまったことはしょうがない。与えられた環境でいかに幸せに過ごしていくか。たとえ何が起きても、常に幸せを作り出せる自分を育てていきたいです。kマーク

2011.09.05 取材

DANAS HAIR
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