このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

坂本これくしょん

伝統工芸という枠にとらわない、漆の無限の可能性。

ソースかつ

人気の「月うさぎシリーズ」。「一人前」(お椀・お茶碗・お箸・箸置きのセット)3,100円

ホルモン焼き

アクセサリー 8,000円~。
金色・藍色・緑色など、今までの漆にはなかった色や独創的なフォルムが魅力。

看板牛乳

「金古木」と呼ばれる独特の色。
銀箔の上から飴色の漆を塗り重ねてつくりだす。

大根干し

1階にあるショップでは、漆器だけでなく服やバッグ、インテリア、アクセサリーなどを、2階では、伝統的な手法を使った物を多数展示販売している。

現代の空間やファッションにとけこむ漆器。

白い空間を活かした1階は、会津漆器の店というよりブティックのようだ。自社の工房・eyesでつくった物のほか、アクセサリーやバッグ、インテリア小物など、日本人の作家がつくった物を幅ひろく販売しているという。
「どれも私達が実際に使って良かったなと感じた物だけを展示しています」
と、専務の坂本理恵さん。
中でも目が行くのは、工房・eyesで製作された食器やアクセサリーだ。
食器の一番人気は、黒塗りや朱塗りの地に金色の月とうさぎの姿を描いた「月うさぎシリーズ」。伝統的な手法を用いてつくられているが、かわいらしい絵柄は現代の食卓にもしっくりとなじみそうだ。
「若い方にも漆器に親しんで欲しい」という考えからつくられたこともあって、お椀1,000円、ぐい呑み900円と価格もリーズナブル。
ペンダントやイヤリング、ブローチは、理恵さん自身がデザインしているという。黒・朱・藍色・金色などの地色にモダンな図案を描いたアクセサリーは、現代的なファッションにも良く合う。

漆の持つ特性や魅力を活かした物づくり。

モダンな図案や形はもちろん、藍色や緑色などこれまでの漆器の中にはなかった色も魅力だ。「金古木」と名付けられた金色もその1つ。
「銀箔の上に飴色の漆を塗っているんです」
と、理恵さんが教えてくれた。
アイデアは独創的だが、伝統的な手法のアレンジから生み出された色なのだ。
「中央のメーカーさんとのタイアップでつくったものもありますよ」
黒塗りの地にマンハッタンの夜景を描いた「マンハッタンシリーズ」には、インフィニットカラーと呼ばれる特殊な色漆が使われている。光の加減で螺鈿のように変化する色漆は、化粧品メーカーとのタイアップから生まれたものだ。
ショップの2階は、伝統的な蒔絵の手法を用いた作品を中心に展示販売している。
季節の花や木、鳥など伝統的な図案を使った重箱や弁当箱などが多いが、中にはインフィニットカラーを使ったモダンな作品やエジプトの象形文字を描いた物もある。
坂本これくしょんの工房である坂本漆芸では、現在、漆の精製・塗り・蒔絵・卸まで、木地以外の工程を一環して自社内で行っているが、創業当時は漆の生成を専門にしていたという。

坂本漆芸の作品には、伝統的な作風の中にも現代性がある。それは、つくる側が漆の持つ特性や魅力を良く知っているからこそ、生まれてくるものなのだろう。

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坂本これくしょん

南会津郡下郷町大字大内字山本51
TEL.(0241)68-2378
営業時間/AM8:30~PM5:00
定休日/不定休 ※冬期は休業