このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

蔵喫茶 杏(きょう)

心なごむ空間で、つくり手の「こころ」を感じるお菓子と酒を。

シフォンケーキ

大吟醸シフォンケーキ 450円
ケーキ類と一緒にドリンクをオーダーすると100円引きになる。

ホルモン焼き

日本酒ゼリー 500円
日本酒ゼリーはテイクアウトもできる。(2個700円)

看板牛乳

大吟醸「玄宰」(1杯)500円
粕漬けやにしんの山椒漬けなど自家製のおつまみも付いてくる。

大根干し

白い壁と板の間にクリーム色の椅子が良く調和している。昔からあるという欄間が印象的。

吟醸香ただようケーキやゼリー。

喫茶・杏は、明治時代からの蔵をそのまま保存している末廣酒造嘉永蔵の一角にある。
和洋折衷の趣きを持つ空間には、年月を経てきたものが持つ落ち着きとそこに集う人びとの心をなごませる雰囲気がある。
「大吟醸シフォンケーキ」は、しっとりとした口当たりでほのかに甘く、かすかに吟醸香がする。
「洋菓子を焼くときにブランデーやリキュールを入れるでしょう。その代わりに吟醸酒を使ってるんですよ」
杏のオーナーで末廣酒造の社長夫人でもある希子さんが説明してくれた。
アイスクリームに吟醸酒を加え、香りづけしているという「吟醸酒アイスクリームパフェ」。洋酒よりも吟醸酒の方が香りもすっきりとしているし、お菓子本来の味を愉しめるようだ。
酒を使ったゼリーの上に金箔を散らした「日本酒ゼリー」は、酒が熟成していくうちに金色を帯びてくるという、色合いも美しい一品だ。後味の良い、すっきりとした甘さだが、結構日本酒が入っているのでお酒に弱い方はご注意。
嘉永蔵の酒造りやクラシックカメラ博物館を見学した後は、ぜひ杏を訪れて、大吟醸を使ったお菓子や仕込み水でいれたコーヒーを味わって欲しい。

蔵では味わえない稀少なお酒も味わえる。

蔵の中で造ったお酒を味わえるのも愉しみの1つ。大吟醸 「玄宰」と13年以上寝かせた古酒の2種類があり、特に古酒は「杏」でしか飲めない稀少な酒だ。
さわやかな吟醸香が心地よい「玄宰」は、味わいのバランスのとれたすっきりした味で、数ある吟醸酒の中でも別格だと感じさせられた。
この雑味のない味わいは、山田錦を35%まで精米し、素材の雑味をそぐことと、酒袋に詰めた酒を吊して自然に濾過されるのを待つ「袋吊り」でしぼられることから生まれる。
気に入った方はぜひ買い求めて欲しい。1.8Lで10,000円、720MLで4,500円と高価だが、それだけの価値はある。
古酒は美しい琥珀色をしている。こちらは枯れた旨味に13年の年月を感じた。旨味はあるがまろやかな味わいで、後味が良く飲み口もさわやかだ。
どちらも、つくる側の「手」を感じる繊細な仕上がりだ。
杏のメニューを考えるのは希子さんで、お菓子もほとんどが自家製だという。繊細なお菓子の味にも、つくる側の「手」を感じた。 酒造りとお菓子。つくるものはちがっているが、そこに共通してあるのは、物づくりに対する末廣酒造の「こころ」なのだろう。

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椿餅の伊勢屋

会津若松市大町1-3-1
TEL(0242)22-1652
営業時間/AM9:15~PM6:30
定休日/水曜