このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

のれん

▲のれん/「会津のれん漬」の絵柄が目に飛び込んでくる。

のれん漬け

▲のれん漬け/ぱりっとした食感と独特な甘味が食欲をそそる。
「のれん漬」袋詰め400g630円。
箱詰め700g1050円。
「殿様みそ」袋詰め1kg630円。
樽詰め2kg1650円。
地方発送も受け付けている。

煮る

▲大豆を煮る/古い大きな釜は時を経て今もなおひたすら大豆を煮る。
白い湯気が立ち上り大豆の煮えるいい匂いが味噌蔵に広がる。

六角煙突

▲青空にそびえる六角煙突
大豆を煮た蒸気や麹を蒸した熱気が煙道を伝って出ていく。

ご夫妻

▲秋山啓三さんと奥さんの明子さん。
雪解けの陽射しの中、樽詰みそとのれん漬を手にハイポーズ

地図

松本屋

喜多方市塩川町字中町1906
TEL0241-27-2061 FAX0241-27-8399
営業時間/午前9時〜午後7時
定休日/不定休

老舗自慢の会津みそに漬け込まれる
「のれん漬」

松本屋は150年ほど前からみそ、しょうゆを造っている。老舗ならではの昔からの製法と大豆、米、塩にこだわった丁寧な仕事が自慢だ。
人気商品は、この自家製会津みそに秘伝の製法で漬け込んだ漬け物。
20数年前、町おこしで普及した「のれん」にちなみ、3代目の秋山啓輔さんがすでに造っていた漬け物に「のれん漬」と命名した。
「独特の甘味が喜ばれる秘密」と息子さんの秋山啓三さんが話してくれた。パリッとした食感、独特の甘味の中にほのかなうま味がある。地元のお客さまはもちろん全国にファンを持つ。お盆や暮れの帰省時や行楽シーズンは大忙し。「地元出身の方がお土産としてもっていくと大好評で」その方々からも申し込みがあるという。
現在、松本屋は、3代目の秋山啓輔さんと奥さん、息子さんの啓三さんとお嫁さん、職人さん3人が従事している。

ひたすら大豆を煮る古い大きな釜ととも

みそ蔵を案内していただく。
「ちょうど今、大豆を煮ているところですよ」ベテラン職人の丸山昭ニさんが大きな釜の前で声をかけてくれた。「国産大豆ですよ。いい匂いでしょう」
初めてお店に入った瞬間、独特の香りがした。そうかこの匂いだったのかと納得する。年代物の釜にはこれまた年期の入った大きな木のふたがしてある。それは微妙にずらしてあり、隙き間からモクモクと白い湯気が上がっている。
黒光りした釜は時を経て今もなおこうしてひたすら大豆を煮る。
「身体が年とともにきつくなっていくよ。腰がつらいねえ」そういって笑う丸山さんの顔は、今年76歳になるとはとても思えない。頬は血色が良くツヤツヤとしている。「この蒸気が肌にいいのかもしれないね。夏はサウナのようなものだし」とニコニコと話す。
優しく大らかな人柄。ガッチリとした身体に大きな手。この手に支えられ守られてみそは造られていく。

「将来は自分の味噌を造りたい」

自分は何不自由なく育てられてきたし、我がままなボンボンでした」と秋山啓三さんが語ってくれた。「身体も丈夫な方ではなく、商売に対しての思いもそんなに積極的ではなかった」という。けれど跡を継ぐ以上これではいけないという思いがだんだん強くなる。そんなある時「親は大変さを見せないでわたしを育ててくれたんだなあと気付いたのです」
親への感謝の気持が心機一転となりその後、奥さんにも助けられながらがんばっているという。
奥さんの明子さんは名前の通り明るく爽やかな笑顔が印象的な女性だ。お店を訪れるお客さまにも絶えず笑顔で応対し、業務面でも啓三さんをしっかりと支えている。
松本屋はプロパンガスの販売も兼業している。若い頃は、ガス販売の仕事を重点的に考え勉強もしていたという啓三さんだが「家族で力を合わせて何でもやります」今はどちらの商売も大事だと話す。
「最近は味噌造りに興味が出てきました。将来は自分独自の味噌を造りたい」と夢を語ってくれた