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本家 長門屋

本家 長門屋

極太チャーシューメン

黒ぱんやあんこ玉など、懐かしい駄菓子が豊富に揃う。
一袋100円〜

冷やしラーメン

駄菓子は1個から買える。
町を散策する際にひとつおやつに買うのもいい。
駄菓子セット(小・830円)もある。

ご夫妻

貝のなかに和三盆糖が入っている「貝千年」(1個380円)。
火にかけて膨らませる「ふくれせんべい」(6枚入530円)。
昔の会津の人々の暮らしや文化への想いを託した和菓子。

店内

昔ながらの商家のつくりをした店内。

2003〜2004冬【第八巻】新撰組と白虎隊の足跡 04

本家 長門屋

創業150年。長門屋の駄菓子は、
昔から会津人の暮らしのなかの楽しみだった。

会津若松市川原町2-10
TEL/0242-27-1358
■営業時間/AM8:30〜PM6:00
■定休日/年中無休(年末年始除く)
■駐車場/10台

庶民の味を150年。長門屋の駄菓子。

創業150年。
本家長門屋は、会津で最も歴史の長い老舗和菓子店として営んでいる。
蔵造りの店内に入るとすぐに、だるまをかたどっただるまあめ、あんこ玉、黒ぱんなど、懐かしい駄菓子が、たくさん並んでいる。
時間が過ぎるのを忘れるほど、様々な駄菓子を手にとって眺めていた。
材料には黒砂糖、小豆、ごま、大豆、米などを使いし、添加物などは使わない。
昔ながらの製法で、いまもひとつひとつ職人が手づくりしているのだそうだ。
「こんなにたくさん大変でしょう?」と、カメラマンが、この店の5代目となる店主・鈴木隆雄さんに話しかけると、鈴木さんは、笑いながらこんな話をしてくれた。
「私たちが子供の頃の駄菓子は、くじやおまけがあったり、遊び心があるものだったでしょう?駄菓子は遊び心が同居している食べ物。暮らしの中で、潤いになってくれたらと思うのです」。

会津文化を映し出す菓子づくり

「こうして長く商売していられるのは、会津が文化の根ざしている街だからじゃないかと、ふと気づいたんです。そのとき和菓子屋として、この文化を伝承していこうと感じました」
「貝千年」は、そんな鈴木さんの想いが込められてつくられた商品。
海から遠い会津の人は、むかし貝を大事にとっておき、耳を澄ませて聞いていたのだという。
そんな昔の会津の人の貝への想いを表した一品だ。
また厳冬の会津では、食糧を貯えておくのは困難だった。
「ふくれせんべい」は、冬を乗り越えるためにと人の知恵が生んだ保存食。
鈴木さんは、和菓子屋として、会津人として、守るべきものをお菓子に託しているのだ。
この店では毎年小正月に、だんごさしをつくる。
会津のだんごさしは、ミズの木の枝に赤や緑に色をつけた団子を刺したもの。
長門屋では、小正月が近づくと、近所の幼稚園児を招いて、子どもたちと一緒にそれをつくる。
会津の文化を子どもたちに伝えるためだ。
取材に行った日は、ちょうど小正月の次の日で、雪が降り積もる日だった。
長門屋の店内には、子どもたちと一緒につくった、今年のだんごさしが飾られていた。

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