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昭和なつかし館

昭和なつかし館

蔵の湯

館内は、昭和30年代の10軒の店を再現した空間。
オーナーである宇田さんが子供の頃に見ていた風景だ。

ラーメン丼

写真館の前にて。当時のモノクロームの記念写真やカメラが展示されている。

ふるさと定食

たばこ屋の前。ガラスケースの中には、今ではもう見ることのなくなったタバコの箱がたくさん並べられている。

らーめん豆

駄菓子屋の奥にある家の茶の間。
四つ足の白黒テレビからは、当時のプロレス番組や映画が流れている。

2003〜2004冬【第八巻】新撰組と白虎隊の足跡 09

昭和なつかし館

日本には古き佳き、昭和の時代があった。

会津若松市大町1-1-46 骨董倶楽部AIZU2F
TEL/0242-27-0092
■営業時間/AM10:00〜PM6:00
■定休日/不定休
■入場料/200円
■駐車場/なし

昭和30年代の町並みを再現

去年7月、骨董倶楽部AIZUの2階に「昭和なつかし館」がオープンした。昭和30年代の会津の中心地にあった町並みを再現した空間だ。
階段を上がると、そこには古いスピーカーから流れる懐かしい歌謡曲が流れ、目の前には、昭和30年代にタイムスリップしたような異空間が広がる。
骨董倶楽部のオーナー・宇田さんの子供時代に、近所に実際に存在していた会津中心市街の旅館や銭湯、寿司屋、たばこ屋、駄菓子屋など10軒が再現されている。
宇田さんは、言う。
「私が子供だった頃は、貧しくとも豊かだった昭和が、確かに存在していました。ここを訪れる人が、そんな昭和に想いを馳せ、それを明日の活力にしてもらえたらと思うのです」
館内のものは実際に触れたり、自由に写真撮影することもできる。駄菓子屋でお菓子を買ったり、ジュークボックスで好きな曲を選ぶのも楽しい。駄菓子屋の居間で、テレビや雑誌を眺めているうちに、当時の人々のあたたかさを思い返すかもしれない。

モノの持つ良さ、モノに対する愛着

昔のモノたちが持っているあたたかさにこだわりたかった、と宇田さんは言う。
20年ほど前から、使われることのなくなったガラクタを集め、近くにないものは全国を歩いて探した。
ここに使われている電柱や家屋の天井や軒先などの材木、畳や雨どい、テレビや蓄音機、電話、ポストや看板、ティッシュボックスや牛乳の空き瓶まで、すべてが当時実際に使われていたモノたち。つまりこの空間は、本当の意味での「再現」だ。
そんな宇田さんを、周りの人は「そんなガラクタを集めてどうするの?」と言う。
それでも宇田さんは、集めたモノを丁寧に扱い、細かなところまで修理をし、掃除をしている。
こうして彼の手によって、一度は要らなくなって捨てられたガラクタたちが、再び息を吹きかえす。
宇田さんは知っている。このガラクタたちの本当の良さを。なぜなら、彼はものを集めるコレクターではなく、モノが本当に好きな人だから。

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