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会津全集2006年第18巻時を守る人々目次/01鶴ヶ城 天守閣郷土博物館
中岡さん

▲中岡進さん

鉄門

▲鉄門(くろがねもん)。本丸に通じる表門。この日は新潟から来たという修学旅行の小学生で賑わっていた。

石碑

▲歴史を感じる石塀

展望台から

▲天守閣展望台から望む。

あいづっこ宣言

▲あいづっこ宣言。「ならぬことはならぬ」会津魂を育む。

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鶴ヶ城 天守閣郷土博物館

会津若松市追手町1-1
営業時間/8:30〜17:00(入場16:30まで)
休館日/7月第1月曜〜木曜、12月第1火曜〜木曜
観覧料/高校生以上400円 小・中学生150円 茶室共通券500円(高校生以上)
問い合わせ/会津若松市観光公社 
TEL0242-27-4005 FAX0242-27-4012

会津のシンボル「鶴ヶ城」

会津の桜の名所として知られる鶴ヶ城は「全国桜の名所100選」にも選ばれている。桜の季節にはたくさんの人が花見に訪れる。秋には、会津秋まつりが行われ、メインイベントの藩公行列では、歴史絵巻が華やかに繰り広げられる。
会津のシンボル、鶴ヶ城天守閣内部は、郷土博物館となっており武家時代を中心に指定文化財や戊辰戦争関連の文化財が展示されている。平成16年にリニュ−アルしている。

地面を守る。石垣を守る。

「直接、文化財にたずさわる仕事です」若松城天守閣郷土博物館、学芸員の中岡進さんに話を伺った。
「この地面も石垣も、国の文化財です。東京ドーム6コ分の広さを守るという国からの指令を受けているのです」
危険が発生する要因が少しでも見つかれば、国に連絡し補修するという。「ですから地面に穴ひとつ掘ることも許されませんね」
中岡さんの仕事は、地面を守り石垣を守り、お城の内外のもの全てを守ることなのだ

「一日、最低5回は上り下りします」

天守閣内部は一層から五層の展望フロアまで階段で上り下りするようになっている。この日は、修学旅行の小学生が数人づつのグループで行動していた。「新潟から来ました」という男の子たちが元気に階段を上る。中岡さんは一日にどのくらい往復するのだろう。
「そうですね。一日、最低5回は上り下りします。毎日10,000歩は歩くでしょうね」なるほどさすがに足取りが軽い。身のこなし方が軽快だ

「やりたいことを企画できることが
一番うれしい」

「小さい頃から野球小僧で、大学生の時は草野球をしていました」と中岡さん。ここへ来るまでは出版の仕事をしていたという。
「歴史に触れることが好きでした。平成14年に公募があって思いきって受けてみたのです」
この仕事に携わるようになり観光産業という枠の中で、ここにある資産をどう活用し観光につなげるか思案したという。
年に数回行われる企画展は中岡さんにとって最もやりがいのある仕事だ。
「今回の企画は、蒲生氏郷生誕450年記念展です。会津の産業の親である蒲生氏郷の誕生から会津に来るまではどうだったか、その後、会津城主に至るまでをパネルを用いて詳しく紹介しています」
企画展前は、数日の間は缶詰め状態に近くなるという。
「まず休みがなくなります。それに天守閣内部には水道、トイレがありません。冬は寒さとの戦いですね」
そんな苦労があるからこそ、企画展をスタートさせ、無事終えたあとの達成感は何にも変えることのできない喜びなのだろう。
「自分がやりたいことを企画できることが一番うれしい」と話す。
これからも会津の歴史を中岡さんの視点でたくさんの人に伝えて下さいね。初夏の風に吹かれながらの天守閣展望台からの眺めは最高でした。