このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

試飲コーナー

▲試飲コーナーが設けてあり、味わうことが出来る。

酒器

▲会津の酒器。
本郷焼の銚子、江戸時代のもの。

きつね

▲きつね。
「昔はこれにモロミを入れて袋に入れたのです。きつねの顔のようでしょう」と箭内さん。

会津酒造歴史館

▲会津酒造歴史館

物館景観

▲博物館景観

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会津酒造歴史館

会津若松市東栄町8-7
TEL0242-26-0031 FAX0242-28-0038
営業時間/8:30〜17:00(12〜3月は9:30〜16:30)
休館日/無休
大人300円 高校生200円 小・中学生150円

会津の酒造りがわかる歴史館

「酒蔵が見たい、というお客さんの要望がきっかけで酒蔵を開放しようという展開になったのは昭和55年のことでした」会津酒造歴史館の古川英司さんが話してくれた。
当時は産業観光ということでまわりの人々には渋い顔をされたという。「先代の社長がものを大事にした方でした」酒にまつわる品が数多く保存されていた。「会津宮泉銘醸の一番蔵を一般公開し、会津の酒造りの歴史、工程に加えて酒にまつわるさまざまな品も展示しようということになったのです」
現在は、小原庄助館や利き酒コーナーもあり、酒どころ会津の魅力を伝えている。

全国新酒鑑評会、4年連続金賞受賞

「冬と夏では、蔵の雰囲気がガラリと変わります。冬期には運が良ければ実際に酒造りの様子も見られることもありますよ」杜氏の箭内和広さんに話を伺った。全国新酒鑑評会で、4年連続金賞という快挙をあげる。「4年連続といっても、一年一年の積み重ねです。毎年それぞれ違う」そう話す箭内さんには気負いがなく謙虚さが感じられる。

「酒は味わう芸術」

箭内さんは、中学を卒業すると昼に働きながら夜間高校へ通った。「本郷焼の焼き物をしていました。本郷焼の職人になりたかった。造ることが好きだったのです」学校を卒業してから数年後に酒造りとの出会いがあった。焼き物の器の中の酒に魅せられる。手をかけた酒は味わう芸術だと思った。「口に持ってくる瞬間に感じる芸術性に惹かれました」という。
「今はもう居ない師匠には、イメージを持って造ることを教えてもらいました」わからないことがあったら聞きに来いと言われる。聞きに行くと自分で考えろと言われた。「よく見ろ、ということなのですね」まわりのいろいろな方にさまざまなことを教えてもらったという。
「今でも他の蔵の杜氏さん達との交流は自分にとって欠かせない。晩酌にはお礼の気持ちも込めて他の所の酒を飲んでいます」と箭内さん。酒造りを始めて17年、責任者になってからは4年目になるという。

この酒を誰かに飲ませたいという強い思い。

「美味しいものを食べると人は幸せな気持ちになりますね。美味しい酒もそうだと思います。この酒を誰かに飲ませたい、美味しいと言って和やかに笑ってもらいたい。小さいことだけれどこの気持ちが平和に繋がるのだと思います」
箭内さんにとって酒造りとは自分を豊かにすること、自分を豊かにすると人に優しくなれるという。
「純米大吟醸辛口宮泉」飲ませていただきました。舌に感じるまろやかな旨味。箭内さんの想いが伝わる幸せな味に胸がしんとしました。ありがとうございました。