このサイトは2001年〜2007年に取材、掲載したものです。現在の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

川番所

▲観音堂/県の重要文化財に指定されている。平成16年、屋根が銅板葺きに改修され見事な景観だ。

店内

▲あっ、あそこにいた!/「あの辺にいますよ」住職の指差す方に目を凝らす。

こけし

▲難を「逃れサル」/タカがサルを見失い難を逃れたサル。

花火玉

▲だきつき柱/堂内の「だきつき柱」に抱きつき、心願すれば願いがかなうと言い伝えられている。

こけし

▲若草食堂の五目そば/五目そば600円、中華そば450円、ソースカツ丼700円。
住所/福島県西会津町野沢字上条道東
電話/0241-45-2661
営業時間/11時から19時 不定休

こけし

会津ころり三観音 鳥追観音 如法寺

福島県耶麻郡西会津町野沢字如法寺
TEL0241-45-2061

1200年前に徳一大師が開創された
会津西方浄土鳥追観音。

鳥追観音は今から1200年前、会津西方浄土として徳一大師が開創。本尊正観音は行基御作で不動明王、昆沙門天王、身代わりなで仏(執金剛神)とともに県の重要文化財になっている。
御堂は、東口から入り、参拝したら戻らずに西口から出るようになっており、全国でも珍しい構造の観音堂である。これは観音様の導きで人生をまっとうし、やがて西方浄土へ安楽往生が叶うという鳥追観音の御誓願を示している。会津ころり三観音霊場のひとつとして多くの人が訪れ、親しまれている。

秋田から訪れたお年寄りたちと
高野槙(コウヤマキ)の巨木を見上げる。

「初秋の西会津はカラリと晴れわたり、山々は太陽の光を受けキラキラと輝いていた。西会津町にある鳥追観音仁王門の前に立つ。一歩境内に足を踏み入れるとひんやりとした空気に包まれた鳥の鳴き声、水の音、土を踏む音。それ以外何も聞こえない静かさだ。高くそびえる一本の木を見上げていると作務衣姿の住職に声をかけられた。
「これは、高野槙(コウヤマキ))といって樹齢1200年になる老樹です。高さ約30m、根周り約6m、幹周り約4mの巨木で福島県の天然記念物に指定されているんですよ」メガネの奥で優しい目が微笑んだ。
数人のお年寄りが歩いてきた。「みなさん、こちらに来てみて下さい。これが1200年の長い間、観音様を見守ってきた高野槙ですよ」住職は巨木について語りはじめた。「ほー、すばらしい樹だあね」お年寄りたちは一様に樹を見上げそれぞれの思いでうなづきながら聞き入る。秋田からお参りにきているというおじいさんは、杖をつき一歩一歩ふみしめるように歩いては立ち止まり、まるで巨木から生命力をもらうかのように深呼吸をしながら見上げていた。

目をこらしてみれば、かわいい隠れ三猿に会える。

慶長18年、観音堂再建の時に江戸期の名工、左甚五郎が鳥追観音の大慈悲に二世安楽を念じて刻んだと伝えられている「隠れ三猿」をさがす。なかなか見つからずにいると「あの辺をよーく見てくだざい」と住職が指をさす。
タカに襲われる猿は「難より隠れサル」。タカは猿を見失い「難を逃れサル」。手まくらで丸くなって眠る猿は「安楽に暮らしサル」。「この三猿を探すことができれば幸運が開き、福マサルといわれています。三匹目の猿はなかなか見つけられませんよ」と住職は言葉を続けた。
目をこらして見れば、本物の猿がひっそりと身をひそめているように見えてくる。丸くなって眠る猿は子猫のようにかわいらしい。

西会津町の美味しいラーメン店「若草食堂」。

西会津町にも美味しいラーメン店はたくさんある。
その中のひとつ野沢の「若草食堂」は、ご主人夫婦に息子さん、お手伝いのおばさんの4人でまかなっている。おすすめは中華そば。人気は半チャンラーメンで半チャンはどのメニューにも付けられる。おかあさんに「若草食堂」の名前の由来を聞いた。「雪国なので明るいイメージにしたかったのです。若草物語を好きなこともありますね」笑顔が優しい上品なおかあさんだ。
この辺は冬は出前が大変でしょうと声をかけると「うちは出前も持ち味。夏だの冬だのと言っていられませんよ」と息子さんが明るく元気に答えてくれた。