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観音堂

▲観音堂/野口英世の母シカが信仰していた金剛造十一面観音様が祀られている。

わらじ

▲祈願のわらじ/本堂の横にたくさんの祈願のわらじが下がっている。

香

▲香のけむり/広い境内に、香炉の煙りがたち昇る。

にぎわい

▲にぎわい/秋の光りに溢れる境内は、多くの参拝者でにぎわう。

薬用人参

▲薬用人参/「槐(えんじゅ)」の天ぷらには季節の野菜と薬用人参がついてくる。
薬用人参は会津人参として生産され、新鶴村の特産品でもある

地図

会津ころり三観音 中田観音 弘安寺

福島県大沼郡会津美里町大字米田字堂ノ後甲147
TEL0242-78-2131

野口英世の母シカが信仰した観音様。

新鶴村の普門山、弘安寺の中田観音は、会津ころり観音のひとつとして人々の信仰を集めている。
文永年間、江戸長者の創立といわれており、御本尊の十一面観音立像は鎌倉時代の鋳造として国の重要文化財に指定されている。
野口英世の母シカはこの金剛造十一面観音立像を信仰していた。
毎月17日午前1時頃になると猪苗代から観音堂まで歩いて来たという。一晩、観音堂に「おこもり」をして帰っていく「月詣り」をして息子の無事を祈願し続けたといわれている。
猪苗代から新鶴村までいったいどのくらいの時間がかかっただろう。暗い夜道を母シカは何を思い歩き続けたのだろう。人の一心の思いは優しく強く深い。
御堂には、大正14年9月15日、野口英世がアメリカ留学から帰ってきたときに一緒にお参りした写真が飾られている。

中田観音の御利益。

観音様を造るときに、型取りに使った土が中に入っているお守りを「土守り」という。このお守りを身につけていると、他の所の土にならないといわれており、どこに行っても無事に我が家へ帰ることができるという。
御堂の中には「だきつき柱」がある。この柱にだきつき「丈夫で働きつづけ、やがて死の床についたときには長わずらいをしないで3日、5日、一週間、長くて10日」とお願いすれば思いがかなえられるといわれている。
大正年間、東宮妃殿下の安産を祈念して御嘉納になったことから「安産の守り観音」としても有名になる。
大正14年12月東宮妃殿下が無事ご安産された時、東宮大夫伯爵より御礼状が届いたという。
安産のお守りを身につけていると無事出産することができるといわれている。
境内にはお参りをする人々があとを絶たない。
香炉には幾本かの線香が焚かれその煙りは空へ昇る。
初秋の夕暮れどきの境内をゆっくりと時間が流れていく。

「槐(えんじゅ)」の手打ち蕎麦と薬用人参の天ぷら。

中田観音から車で5分ほどの所に、「槐(えんじゅ)」という蕎麦屋がある。新鶴村ふるさと観光物産館で営業している。地元産のそば粉100%の手打ち蕎麦でおすすめは、天ざると天ぷらそば。どちらにも季節の野菜と薬用人参の天ぷらがついてくる。蕎麦打ち実演コーナーもある。
薬用人参は新鶴村の特産品で栽培量は全国一。薬用人参は五臓の働きを助け、脈拍を整え、精神を安定させる働きがあるという。

●お問い合わせ先
 福島県大沼郡会津美里町大字鶴野辺字長尾2393
 電話番号/0242-78-3224
 営業時間/午前11時から午後4時
 定休日/月曜日
 駐車場あり

*大沼郡新鶴村は、平成17年10月から「会津美里町」になりましたが、本文中では新鶴村で記されております。